足関節・足部疾患の最新治療
疾患各論 外傷・スポーツ障害 足関節外側靱帯損傷 3D-MRIを用いた新鮮足関節外側靱帯損傷の評価
寺本 篤史
1
,
赤塚 吉紘
,
高島 弘幸
,
鈴木 智之
,
渡邉 耕太
,
山下 敏彦
1札幌医科大学 整形外科
キーワード:
MRI
,
靱帯損傷
,
スポーツ障害
,
足首損傷
,
足関節外側靱帯
,
三次元イメージング
,
患者重症度
Keyword:
Athletic Injuries
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Ankle Injuries
,
Lateral Ligament, Ankle
,
Imaging, Three-Dimensional
,
Patient Acuity
pp.207-210
発行日 2016年4月10日
Published Date 2016/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2016297887
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3D-MRIを用いて正常ボランティア10例の足関節外側靱帯の形態学的計測を行なった。また、あわせて新鮮足関節外側靱帯損傷4例における損傷部位と治療過程の評価を行った。その結果、1)3D-MRIを用いることで正常ボランティアの前距腓靱帯(ATFL)と踵腓靱帯(CFL)は全長にわたって明瞭に描出され、ATFLの幅は平均4.0mm、CFLの幅は平均4.8mmであった。2)靱帯損傷患者のATFLは受傷直後に高信号変化を伴う靱帯途絶所見があり、経時的に高信号を伴うびまん性膨化を示した。ATFLの幅は受傷直後平均5.8mm、4週後は平均7.1mm、8週後は平均8mmであった。3)CFLは1例のみ受傷直後に高信号変化を伴う靱帯途絶所見があり、経時的に高信号を伴うびまん性膨化がみられた。CFLの幅は受傷直後7.2mm、4週後10.9mm、8週後11.5mmであった。尚、CFLに受傷直後の信号変化がなかった3例では、信号や幅は経時的に変化しなかった。以上より、3D-MRIは新鮮足関節外側靱帯損傷の診断と重症度判定、治療過程の評価に有用であることが示唆された。
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