股関節疾患の治療 up-to-date
成人股関節変性疾患の治療 その他 人工股関節全置換術後の周術期静脈血栓症への取り組み 未分画ヘパリンを用いて
森脇 孝博
1
,
小寺 正純
,
井上 功三朗
,
里見 和彦
1杏林大学 整形外科
キーワード:
Heparin
,
股関節
,
包帯
,
静脈血栓症
,
股関節置換術
,
マルチスライスCT
,
間欠的加圧装置
,
静脈血栓塞栓症
,
Fibrin Fragment D
,
靴下・ストッキング
Keyword:
Bandages
,
Heparin
,
Hip Joint
,
Arthroplasty, Replacement, Hip
,
Venous Thrombosis
,
Intermittent Pneumatic Compression Devices
,
Venous Thromboembolism
,
Multidetector Computed Tomography
,
Fibrin Fragment D
pp.144-148
発行日 2010年4月10日
Published Date 2010/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2010197586
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人工股関節全置換術(THA)後の周術期静脈血栓塞栓症(VTE)発生予防について検討した。対象は2004~2008年までに未分画へパリンを用いて術後VTE発生を予防したTHA 296例(男性52例、女性244例、平均年齢64.4歳)であった。1)術前にDダイマーが3μg/mlを超えた12例(4.1%)では術後のMDCTでVTEは認められなかった。2)術後VTEを30例(10.1%)に認められたが、Dダイマーのカットオフ値を10μg/mlとした時の感度は68.1%、特異度は85.1%であった。3)VTE発生群では非発生群に比し年齢が有意に低かったが、手術時間や術中出血量に差はなかった。4)VTEの内訳は深部静脈血栓症(DVT)14例(4.7%)、肺塞栓症(PE)7例(2.4%)、DVTとPEの合併発生9例(3.0%)であった。5)Dダイマーの推移はVTE発生群、非発生群とも術後1日目と5~14日目までの二峰性を示し、術後5、7、14、21日にVTE発生群で非発生群に比し有意な高値を示していた。
©Nankodo Co., Ltd., 2010