発行日 2009年12月1日
Published Date 2009/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010089968
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大腿骨頸部内側骨折に対して人工骨頭置換術を行った127例(A)と、大腿骨転子部骨折に対して骨接合術を行った184例(B)を対象に、術後7日にDダイマーの測定を行い、深部静脈血栓症および肺血栓塞栓症の発生率を算出し比較した。また、手術時年齢、術前待機期間、手術時間、麻酔時間、術中出血量を調査し比較した。その結果、A群では肺血栓塞栓症が1例発生し、B群では深部静脈血栓症が5例、肺血栓塞栓症が5例、肺血栓塞栓症と深部静脈血栓症の合併が1例発生した。手術時年齢はB群で、また、手術時間、麻酔時間、術中出血量はA群で有意に高値であった。深部静脈血栓症および肺血栓塞栓症の危険因子を検討したところ、B群では手術牽引台を使用しており、高齢と手術牽引台の使用が危険因子と考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2009