股関節疾患の治療 up-to-date
成人股関節変性疾患の治療 人工関節後の弛み、感染 細粒状骨移植を併用したセメントレスポーラスカップによる臼蓋側再置換術
兼氏 歩
1
,
杉森 端三
,
市堰 徹
,
福井 清数
,
松本 忠美
1金沢医科大学 整形外科
キーワード:
寛骨臼
,
股関節
,
骨移植
,
再手術
,
人工器官機能不全
,
股関節置換術
,
セメントレス人工関節
,
ソケット(人工器官と補綴物)
Keyword:
Acetabulum
,
Hip Joint
,
Prosthesis Failure
,
Reoperation
,
Bone Transplantation
,
Arthroplasty, Replacement, Hip
pp.113-116
発行日 2010年4月10日
Published Date 2010/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2010197581
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細粒状骨移植を併用したセメントレスポーラスカップによる臼蓋側再置換術の成績を検討した。対象は2003年3月までに行った臼蓋側再置換術後5年以上経過観察できた32股(男性3股、女性29股、平均年齢61歳)で、骨欠損はAAOS分類でtype II:9股、type III:23股であった。移植骨は同種骨19股、自家骨9股、同種骨+自家骨2股、自家骨+ハイドロキシアパタイト(HA)2股で、使用臼蓋コンポーネントはTrilogy cup:16股、Harris/Galante porous II:13股、Omnifit:2股、その他1股であった。経過観察期間平均8年の結果、1)JOAスコアは術前平均52.8点→術後79.8点に改善し、疼痛点数は16.7点→34.3点に改善した。2)合併症は脱臼を1股に認められたが、感染など重篤なものはなかった。3)X線所見ではカップの移動(弛み)2股がみられたものの、再々置換には至らなかった。また、部分的な骨吸収像を5股に認められたが、弛みの1例を除き母床骨と移植骨は骨癒合していた。以上、これらのことからも本再置換術は有用な手術方法と考えられた。
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