高齢者骨折に対する私の治療法
転倒予防プログラム・リハビリテーションおよび装具 ヒッププロテクター ヒッププロテクター装着に影響を与える因子の検討
大谷 晃司
1
,
菊地 臣一
,
矢吹 省司
1福島県立医科大学 整形外科
キーワード:
質問紙法
,
股関節部
,
事故防止
,
大腿骨頸部骨折
,
転倒・転落
,
保護具
,
前向き研究
Keyword:
Accident Prevention
,
Accidental Falls
,
Femoral Neck Fractures
,
Hip
,
Prospective Studies
,
Protective Devices
,
Surveys and Questionnaires
pp.278-280
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2008055175
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転倒・骨折予防教室参加者77名(平均74歳)を対象に、ヒッププロテクターの装着率と装着継続に関与している因子について検討した。過去1年間に転倒の既往を有するのは18名(23%)、過去に転倒による骨折の既往があるのは6名(8%)で、屋外での歩行形態は独歩60名(78%)、杖歩行11名(14%)、老人車使用が6名(8%)であった。対象に硬性ヒッププロテクターを無償供与して調査を行い、装着開始1週間の時点で、直接検診により装着の有無と装着感に関するアンケートを行った。更に、装着感に関する短期間の調査が終了した時点で、それ以降の調査の協力が得られた44例について、6ヵ月後と1年後に直接検診により装着率に関する調査を行った。その結果、ヒッププロテクターの装着率は、装着開始後1週間では7日間全日装着66%で、装着感は「まあ快適」が最も多かった。装着後6ヵ月の時点では装着率は11%であったが、1年の時点では85%で、季節による変動がみられ、この変動には夏期での装着が「暑い」と、冬期での装着が「暖かい」という装着感が強く影響を与えていた。装着の有無には、骨折や転倒の既往或いは骨折への不安といった要因は全く関係していなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2007