高齢者骨折に対する私の治療法
転倒予防プログラム・リハビリテーションおよび装具 転倒・骨折予防の生活指導・生活援助 パワーリハビリテーションが片麻痺を有する高齢者の運動機能、骨密度、軟部組織組成に及ぼす治療効果
高田 信二郎
1
,
中尾 成孝
,
安井 夏生
,
稲次 正敬
,
岩佐 悟
,
稲次 美樹子
,
林 浩希
,
多田 昌代
,
河野 友志
1徳島大学 大学院運動機能外科
キーワード:
運動障害
,
光子吸収分析
,
骨密度
,
片麻痺
,
歩行
,
リハビリテーション
,
治療成績
,
軟部組織
,
運動機能検査
,
パワーリハビリテーション
Keyword:
Gait
,
Hemiplegia
,
Movement Disorders
,
Rehabilitation
,
Absorptiometry, Photon
,
Bone Density
,
Treatment Outcome
pp.273-277
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2008055174
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発症から1年以上経過した片麻痺患者20例を対象に、パワーリハビリテーション(パワーリハ)を行い、運動機能、骨密度及び軟部組織組成に及ぼす影響について検討した。パワーリハで実施する運動の種類は、チェストプレス、トーソ伸展/屈曲(EXT/FLEX)、ホリゾンタルレッグプレス、レッグEXT/FLEX、ヒップ外転/内転(AB/AD)、ローイングマルチファンクションタイプ(MF)の6種類である。週2回3ヵ月間のパワーリハを実施した結果、運動機能評価のうち、長坐位前屈を除いた全項目で有意な改善がみられ、Timed up and go testは運動に要する時間が短縮し、6分間歩行では歩行距離が延長した。また、落下棒テストでは落下する棒をつかむまでの距離が短縮し、ファンクショナルリーチはリーチの距離が延伸し、開眼片脚立ちでは片脚立ち時間が延長した。骨密度、骨塩量、除脂肪量は、麻痺側上肢、下肢とも、非麻痺側に比べて有意に低下した。パワーリハ実施前後における各々の測定値の変化は、上肢では麻痺側と非麻痺側ともに変化がなかった。非麻痺側下肢では各々治療前の値を維持していたが、麻痺側の骨密度及び骨塩量は治療前に比べて有意に低下した。パワーリハ実施前後における麻痺側と非麻痺側との比較では、下肢の骨密度のみ統計学的有意差がみられた。パワーリハは非麻痺側下肢の骨密度を維持できたが、麻痺側下肢の骨密度の低下を抑制できなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2007