発行日 2006年4月10日
Published Date 2006/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2006184903
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家兎の大腿骨に創外固定延長器を装着し,骨切りした大腿骨を延長することにより間接的に坐骨神経を延長する試みを行った.延長速度は0.45mm/日の群(I群)と1.35mm/日群(II群)を設定し,創外固定の延長距離が1.5cm,3.0cm,4.5cm,6.0cm,7.0cmになった段階で坐骨神経を展開し,神経延長率の測定と電気生理学的検査,神経束内血流量の測定,組織学的変化の観察を行った.電気生理学的検査の結果,両群とも運動神経伝導速度に有意な低下は生じず,複合筋活動電位は延長幅の増大とともに減少した.神経束内血流量は両群とも6.0cmの延長(30%の延長)までは大きな変化はなかったが7.0cmの延長(40%の延長)により有意に低下し,とくにII群で著明に低下した.組織学的には40%延長によりI群で軸索と髄鞘の解離,神経線維間の浮腫,II群でWaller変性,髄鞘の層状構造の破壊などが生じた
©Nankodo Co., Ltd., 2006