発行日 2002年4月25日
Published Date 2002/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2002188711
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Galeazzi骨折新鮮例治療について報告した.対象は,手術治療例8例(男性6例,女性1例・平均年齢30歳)であった.手術方法は,橈骨骨折には掌側進入でAO小型のdynamic compression plateで観血的に整復固定を,遠位橈尺関節(DRUJ)には脱臼整復後,回外位で横止めK-wire固定を行った.脱臼整復後もDRUJに不安定性を残す4例には,手関節尺側を展開してDRUJおよび三角線維軟骨複合体(TFCC)の観察を行い,そのうちTFCCの損傷を認めた2例は尺骨茎状突起が基部で骨折しており,尺骨小窩への付着部でdeep layerが断裂していた.一部尺骨茎状突起に付着していたのを切離し,TFCCはプルアウト固定法で,尺骨茎状突起はK-wireで固定した.橈骨の骨癒合は全例で得られ,全体的な成績はexcellent6例,fair2例で,DRUJの亜脱臼は全例で認めなかった.Galeazzi骨折新鮮例では尺骨茎状突起基部の骨折を伴うものを重症型,伴わないものを軽症型と分類すれば,治療を適切に進められると思われた
©Nankodo Co., Ltd., 2002