発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005140045
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17歳男.右前腕回外制限を主訴とした.右橈骨骨幹部遠位1/3の斜骨折と尺骨茎状突起骨折にて整復固定されたが,回外制限が残存した.初診時のX線像にて橈骨遠位1/3での変形治癒と尺骨頭の背側転位を認め,手関節CTにて尺骨頭は尺側切痕の遠位背側に位置し,回外で掌側に移動することはなかった.陳旧性Galeazzi骨折と診断し,受傷から17ヵ月後に施行した掌側アプローチによる橈・尺骨矯正骨切り術にて尺骨頭は整復位となり回外は改善したが,他動的な前腕回旋運動にて遠位橈尺関節(DRUJ)にスラストが生じた.これに対してDRUJに背側アプローチし,三角線維軟骨を直接尺骨小窩に縫着したところ,スラストは消失してDRUJは安定した.術後はギプス固定を行い,術後11ヵ月時には疼痛なく右前腕回外の改善と骨癒合が得られ,X線像およびCT像にみるDRUJの適合性は良好であった
©Nankodo Co., Ltd., 2005