発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017380372
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症例は50歳女性で、両側下腿浮腫が1日中持続し、眼瞼をはじめ顔全体がむくんでいることを自覚した。好酸球増加を認め、血液疾患を疑った。入院後2日目に両側下腿に非定型紅斑が出現し、3日目に好酸球が8672/μLまで増加した。診断確定前にprednisoloneを開始した。好酸球は6日目には842/μLまで低下し、下腿浮腫も改善傾向となったが、両側手掌に有痛性小結節を伴った紫斑が散在性に出現した。右手掌全体、左手掌の尺骨神経支配領域、両側下腿前面にアロディニアが出現し、8日目には両手の著明な握力低下を認めた。神経所見と四肢の神経伝導検査の検査と併せて多発単神経炎と判断した。12日目に病理検査で血管周囲に著明な好酸球浸潤を伴った血管炎所見を認めた。白血球増加、血清IgE増加、リウマトイド因子陽性の所見と、好酸球増加と好酸球性血管炎の病理所見から好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)と診断した。確定診断がついた11日目からprednisoloneによるパルス療法を行った後、prednisoloneで加療継続した。紅斑・紫斑・アロディニアは消失し、両手握力低下も改善した。
©Nankodo Co., Ltd., 2017