今、認知症にどう向き合うか
《トピックス》アルツハイマー病と脳老化の病理学
村山 繁雄
1
,
齊藤 祐子
1東京都健康長寿医療センター 高齢者ブレインバンク
キーワード:
Alzheimer病
,
加齢
,
脳
,
高齢者
,
重症度指標
,
神経原線維変化
,
多施設共同研究
,
アミロイド斑
,
早期診断
,
脳バンク
Keyword:
Alzheimer Disease
,
Aged
,
Aging
,
Brain
,
Severity of Illness Index
,
Multicenter Studies as Topic
,
Neurofibrillary Tangles
,
Early Diagnosis
,
Plaque, Amyloid
pp.840-845
発行日 2012年5月1日
Published Date 2012/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012211109
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●アルツハイマー病の病変の首座は大脳皮質、かつ神経細胞である。初期病変は神経情報伝達障害であり、進行すると神経細胞脱落にいたる。●アルツハイマー病の変化は、アミロイドβ蛋白により細胞外に構成される老人斑と、微小管構成蛋白であるタウ蛋白よりなり、細胞内に構成される神経原線維変化よりなる。この変化は量・範囲ともに連続性に進展し、アルツハイマー型老年性変化と総称される。●アミロイドβ蛋白蓄積がタウ蛋白の蓄積を誘導するというアミロイド仮説に基づき、アルツハイマー病に対し抗アミロイドβ蛋白療法の治験が行われたが、現在までのところまったく成功していない。●この事実を受け、より早期に治療介入すべきであるとの観点より、アルツハイマー病の臨床診断をより早期に移行する新診断基準が提唱されている。その適用には、臨床・画像・バイオマーカーを駆使することが要求される。
©Nankodo Co., Ltd., 2012