内科医がおさえておくべきパーキンソン病診療のポイント
最新の機能画像研究
島田 斉
1
1量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所 臨床研究クラスタ脳機能イメージング研究部
キーワード:
Acetylcholine
,
Alzheimer病
,
Amyloid Beta Peptides
,
鑑別診断
,
Parkinson病
,
Tau Proteins
,
陽電子放射型断層撮影
,
神経病理学
Keyword:
Neuropathology
,
Alzheimer Disease
,
Acetylcholine
,
Diagnosis, Differential
,
Parkinson Disease
,
tau Proteins
,
Amyloid beta-Peptides
,
Positron-Emission Tomography
pp.265-268
発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016309848
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パーキンソン病はドパミン神経系以外にもさまざまな神経系が障害される"多系統障害症"とでも称すべき疾患である.アセチルコリン神経系は,注意力,集中力,記憶などに関与し,パーキンソン病においても病初期から障害を認める.アセチルコリン神経系の障害は,パーキンソン病の認識機能障害や幻視の発現と密接に関与し,認知症を呈する症例ではアルツハイマー病以上に重度の障害を認める.パーキンソン病においても,とくに認知症を伴う症例においては,しばしばアルツハイマー病でみられるようなアミロイドβや過剰リン酸化タウ蛋白の脳内蓄積を認める.アミロイドβやタウ蛋白病変を伴うパーキンソン病においては,アルツハイマー病に酷似する傍海馬領域などの脳萎縮を認め,近時記憶障害も顕著である.
©Nankodo Co., Ltd., 2016