炎症性腸疾患-ファーストタッチから長期マネジメントまで 各種治療薬について知っておくべきこと
Tacrolimus
松岡 克善
1
,
渡辺 守
1東京医科歯科大学 消化器内科
キーワード:
腎臓疾患
,
大腸炎-潰瘍性
,
肺炎-ニューモシスチス
,
免疫抑制剤
,
Tacrolimus
,
治療成績
,
維持化学療法
Keyword:
Colitis, Ulcerative
,
Immunosuppressive Agents
,
Kidney Diseases
,
Pneumonia, Pneumocystis
,
Tacrolimus
,
Treatment Outcome
,
Maintenance Chemotherapy
pp.619-621
発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016019453
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
tacrolimusはT細胞増殖を阻害することで免疫を抑制する.ステロイド抵抗性・依存性潰瘍性大腸炎に対して60%以上の有効率がある.血中トラフ濃度をできるだけ早く上げるために,投与量の調整法の工夫が必要である.tacrolimusで寛解導入後には,通常は免疫調節薬で寛解維持を行う.寛解導入においては,tacrolimusと抗TNFα抗体製剤とは有効性に大きな差はないと考えられるが,長期予後も含めて両薬剤を直接比較した臨床試験はないため,両薬剤の使い分けには明確な基準はない.そのため,個々の患者で治療歴・重症度などを考慮して選択する.tacrolimusの副作用としてカリニ肺炎などの感染症に注意が必要である.また,長期投与時には腎障害が出現することがある.
©Nankodo Co., Ltd., 2015