発行日 2015年7月1日
Published Date 2015/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015304830
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77歳女。37歳時に甲状腺機能亢進症に対し、アイソトープ治療を受け、70歳時から甲状腺機能低下のため、レボチロキシンによる補充療法を必要とした。60歳時に卵巣がんで手術を施行され、術後抗がん剤治療を2年間受けた。67歳時、右人工股関節置換術を受けた。約10年前から慢性便秘を自覚した。咳嗽、喀痰、悪心を自覚し、フロモキセフ点滴、クラリスロマイシン内服で治療したが改善しなかった。胸部単純X線像で両側下肺野に軽度の結節影の集簇、胸部CTでも両側下葉に結節影、斑状影、スリガラス影がみられ、慢性嘔吐による誤嚥の関与が考えられた。便秘についてはグリセリン洗腸行ったところ、排便が認められた。喀痰より、MRSA、E.cloacaeが検出された。抗酸菌培養検体からM.chelonaeを検出し、肺M.chelonae症と診断した。入院後23日目には白血球数とCRPの改善が認められたため、翌日退院となった。
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