発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2014159113
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82歳男。25歳時に肺結核、79歳時に再発性右気胸による胸腔鏡下(VATS)肺部分切除術の既往があった。今回、COPDと診断され、在宅酸素療法を受けていたが、呼吸困難が増強したため著者らの施設へ受診となった。X線では3年前に比べて網状・線状影が増強し、スリガラス影の出現がみられた。また、胸部CTでは上肺は気腫性肺嚢胞、中~下肺は肺気腫と肺線維症の混在、下肺は肺線維症部位で、大型の嚢胞陰影ほか、蜂巣肺に接してスリガラス影も認められた。以上、これらの所見を踏まえて、本症例は肺気腫合併肺線維症(CPFE)の急性増悪と診断された。以後、肺気腫に対し吸引薬のtiotropium、salmeterol xinafoate、fluticasone propionateほか、ステロイド療法としてmethylprednisolone、cefozopran hydrochloride、prednisoloneが行われた。しかし、SpO2は軽労作でも著明な低下がみられ、更に肺機能の拘束性障害も認められた。そこで、入院から27日目に呼吸リハビリテーションを行なった結果、35日目の胸部CTではスリガラス影は消褪し、38日目には%DLcoは32%に改善、間質性肺炎マーカーもそれぞれ下降し、患者は58日目に退院となった。
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