発行日 2015年7月1日
Published Date 2015/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015304831
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79歳男。1年3ヵ月前に、外傷によるC5頸髄損傷のため頸推椎弓形成術を施行された。後遺症として四肢麻痺および神経因性膀胱が残存し、尿閉に対しては尿道カテーテルが留置された。2日前頃より臀部褥瘡感染が発生し、38℃台の発熱が出現した。褥瘡感染に対して、局所的な処置抗菌薬点滴による管理を行い、炎症反応は低下し、褥瘡および褥瘡感染の改善を認め、全身状態は安定しつつあった。しかし、膿培養から認めていたE.coliは入院4ヵ月後に多剤耐性緑膿菌(MDRP)へ菌交代現象を起こした。院内感染と考えられたが、無症候性であったために経過観察とした。入院9ヵ月後、それまで無症候性であったCAUTIは、肉眼的血尿を呈し、症候性へと変化した。MDRPによる出血性膀胱炎と考え、ポリミシキンBの膀胱内注入を選択した。経過良好で退院した。
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