発行日 2015年7月1日
Published Date 2015/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015304827
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76歳男。2型糖尿病で通院加療中であったが、インスリン療法を希望せず、内服療法でHbA1cはコントロール不良であった。38℃台の発熱と咽頭痛で入院したが、熱源は特定できなかった。抗生物質の内服で退院したが、食欲低下、発熱、肘・膝関節痛が増悪し、自制困難となり、全身状態不良のため入院となった。感染症を想定し、抗生物質の投与を開始したが、発熱・関節痛などの臨床症状、および白血球数やCRPなどの検査値の改善は認めなかった。呼吸不全は進行し、第5病日にはSpO2 90%を維持すること困難となった。抗生物質の変更とともにメチルプレドニゾロンの投与を開始し、呼吸不全・発熱・関節痛などの臨床症状、WBC、CRPは著明に改善した。臨床経過および感染症・悪性腫瘍・他の膠原病が否定的であることから、成人発症Still病と診断した。
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