発行日 2015年7月1日
Published Date 2015/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015304828
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93歳女。約20年前の脳梗塞による右不全片麻痺で歩行が不可能であった。左眼瞼が軽度下垂し、翌日には眼瞼下垂は完全になり、まったく開眼できなくなった。軽度の右側の中枢性顔面神経麻痺と構音障害を認め、右片麻痺を上肢に5分の3、下肢に5分の2程度に認められた。また、軽度の貧血、糖尿病、腎機能低下を認めた。頭部CTでは、両側の大脳半球に脳血管障害後と思われる低吸収域が多数認められた。T2強調画像と拡散強調画像のMRIでともに、中脳の左側の上丘部分に高信号域が認められ、この部の比較的新しい脳梗塞と思われた。脳梗塞再発予防のためアスピリンが元来投与されていたが、今回再度の梗塞が認められたため、抗血小板作用の強化の目的でシロスタゾールの経口投与を追加することにした。
©Nankodo Co., Ltd., 2015