特集 胸部の最新画像情報2016
診療
特発性肺動脈性肺高血圧症 CT画像所見の検討
何澤 信礼
1
,
芝本 雄太
,
山本 浩治
,
武田 裕
,
浅野 実樹
,
三島 晃
1名古屋市立大学病院 中央放射線部
キーワード:
胸水
,
心膜液貯留
,
リンパ系疾患
,
リンパ節
,
腫脹
,
マルチスライスCT
,
胸部CT
,
すりガラス様陰影
,
肺動脈拡張症
,
家族性および特発性肺高血圧症
Keyword:
Lymph Nodes
,
Lymphatic Diseases
,
Pericardial Effusion
,
Pleural Effusion
,
Multidetector Computed Tomography
,
Familial Primary Pulmonary Hypertension
pp.247-259
発行日 2016年1月10日
Published Date 2016/1/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2016139088
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特発性肺動脈性肺高血圧症(iPAH)のCT画像所見について検討した。続発性肺高血圧症を除外したiPAH患者の胸部MDCTおよびHRCT(1~2mmスライス厚)を施行した13例(女性7名、男性6名、21~74歳)を対象とした。主肺働脈の上行大動脈の外径を超える拡張は12例で認め、1.5~2倍の拡張6例、2倍以上の拡張1例であった。左右本幹の顕著な拡張に加え、葉動脈、区域動脈、亜区域動脈、小葉動脈に拡張傾向を認めた。細動脈~(前)毛細血管レベルでの新生血管様の蛇行血管を4例で認め、AVFも2例で疑った。小葉(血管)中心すりガラス状影は5例、モザイク状すりガラス状影は3例で認めた。HRCTで末梢肺動脈の有意な狭小化は明らかでなかった。小葉間壁肥厚は9例、縦隔肺門リンパ節腫大は4例、胸水は3例、心嚢水は2例で認めた。その他、血痰吸い込みによる気管支内充満影と末梢浸潤影を1例、胸膜下楔状コンソリデーションを1例で認めた。
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