発行日 2011年2月1日
Published Date 2011/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011140425
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59歳女。50歳時に重症筋無力症で胸腺摘出術施行し、その後症状の出現はない。55歳時に腎機能の急速な悪化で腎生検を行ったところ、間質性腎炎所見を認めた。その際、アニオンギャップ正常代謝性アシドーシス、尿の酸性化障害、重炭酸負荷試験にてアシドーシス補正時のFE HCO3-<5%であったことから、I型尿細管性アシドーシス(RTA)合併と診断した。骨密度は低下しておりalendronate投与下でPSLを開始し、腎機能は改善した。その後、1年かけてPSLを漸減したが、2年後より亀背、胸郭変形を認め、呼吸困難の出現、悪化で入院した。奇異性呼吸、多発性骨折および著明な骨密度低下を認めた。入院後4日にCO2ナルコーシスと考えられる意識障害をきたし、人工呼吸器管理とし、胸郭変形が呼吸器不全の主たる原因と考えた。RTA補正のためクエン酸K・Na投与を開始し、在宅人工呼吸器導入で63日目に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2011