高齢者の感染症はこう診る-外来・病棟から在宅まで 高齢者における感染症の疫学と病態生理
高齢者の感染症の疫学
早川 佳代子
1
1国立国際医療研究センター国際感染症センター
キーワード:
感染
,
気道感染
,
性感染症
,
尿路感染症
,
発生率
,
髄膜炎-細菌性
Keyword:
Infection
,
Respiratory Tract Infections
,
Sexually Transmitted Diseases
,
Urinary Tract Infections
,
Incidence
,
Meningitis, Bacterial
pp.751-754
発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015016016
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高齢者人口の割合は今後も増加し,2035年には全人口の3人に1人が高齢者になると見込まれており,高齢者の感染症も増加すると予想される.高齢そのものによる易感染性に加え,高齢者介護施設への在住,基礎疾患に対する在宅や入院での加療,基礎疾患そのものなど,若年者とは異なる背景をもつ.高齢者の感染症でとくに頻度が高いものとして,下気道感染症,尿路感染症,皮膚軟部組織感染症がある.感染症の起因菌が若年者と異なることに注意する.高齢者介護施設では,疥癬,ノロウイルスやインフルエンザ感染症,結核などが問題になりやすい.病院や高齢者介護施設内での薬剤耐性菌の感染拡大にも注意が必要である.
©Nankodo Co., Ltd., 2014