高齢者の感染症はこう診る-外来・病棟から在宅まで 高齢者における感染症の疫学と病態生理
高齢者はなぜ感染症に罹患しやすいのか 高齢者の易感染性とは
石井 隆弘
1
,
倉井 華子
1静岡県立静岡がんセンター 感染症内科
キーワード:
NK細胞
,
易感染性宿主
,
好中球
,
樹状細胞
,
マクロファージ
,
自然免疫
,
B細胞
,
T細胞
,
獲得免疫
Keyword:
B-Lymphocytes
,
Dendritic Cells
,
Immunity, Innate
,
Macrophages
,
Killer Cells, Natural
,
Neutrophils
,
T-Lymphocytes
,
Immunocompromised Host
,
Adaptive Immunity
pp.755-758
発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015016017
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
加齢に伴う免疫機能の変化は「免疫老化(immunosenescence)」と呼ばれている.T細胞はCD4陽性T細胞とCD8陽性T細胞に分けられ,CD4陽性T細胞のうち,細胞性免疫を担うのがTh1細胞,体液性免疫を担うのがTh2細胞である.この2つのTh細胞の機能低下(獲得免疫の低下)が免疫老化の最大の特徴である.B細胞は形質細胞,メモリーB細胞として体液性免疫を担うが,加齢に伴うTh2細胞の機能低下による分化・増殖の停滞のほか,クラススイッチ低下などの加齢による影響を受ける.自然免疫は生体防御機構の最前線として,好中球,マクロファージ,NK細胞などが担っているが,これらの細胞の働きにも加齢が影響を及ぼしている.獲得免疫および自然免疫の基本的な流れのなかで,加齢という要素がどのような形で影響を及ぼしてくるのかを確認する.
©Nankodo Co., Ltd., 2014