高齢者の感染症はこう診る-外来・病棟から在宅まで 診療の場ごとの感染症への対応
長期療養型施設における感染症への対応
藤田 崇宏
1
1東京女子医科大学 感染症科
キーワード:
感染
,
気道感染
,
抗細菌剤
,
経口投与
,
尿路感染症
,
感染予防管理
,
軟部組織感染症
,
介護保険施設
Keyword:
Administration, Oral
,
Anti-Bacterial Agents
,
Infection
,
Respiratory Tract Infections
,
Urinary Tract Infections
,
Infection Control
,
Soft Tissue Infections
pp.799-803
発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015016027
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施設高齢者は一般在宅の高齢者と比較すると,病状の進行した介護度の高い患者が多く,発熱の頻度が高い集団である.呼吸器感染症,尿路感染症,軟部組織感染症が,頻度の高い感染症である.バイタルサイン,発熱時の評価法についてスタッフを教育し,方針を共有するのが重要である.診断のために費やせるリソースに限界があるが,感染症診療の原則通り診断名を明らかにしたうえで抗菌薬投与の適応を判断すべきである.患者に期待される予後も踏まえて,発症した感染症の診療の場をどこに設定するかを個別に検討し,場合によっては看取りも視野に入れた方針を考慮する.抗菌薬の投与期間は,感染症の診断名に応じて決定する.集団発生が疑われる場合は,行政に報告する.
©Nankodo Co., Ltd., 2014