発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2014195245
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23歳女。発熱、前胸部痛が出現した。前胸部痛は吸気に増強し、胸骨、胸鎖関節部に腫脹と圧痛を認めた。市販の解熱鎮痛薬で症状は改善しなかった。胸部単純X線写真では右肋骨横隔膜角の軽度鈍化を認めた。胸部CTでは胸鎖・胸肋関節の肥厚および同関節周囲の脂肪織濃度の上昇を認め、両側に少量の胸水貯留を認めた。骨シンチグラムでは胸骨体部、柄部および胸鎖関節部に対称性の異常集積を認めた。皮膚病変は認めないが胸鎖関節および胸肋関節部の炎症性骨関節病変よりSAPHO症候群を強く疑った。ジクロフェナクナトリウムの内服を開始し、投与3週間後には前胸部痛は消失、炎症反応も陰性化した。また胸部単純X線写真上、胸水は消失した。SAPHO症候群の診断基準より、SAPHO症候群と確定診断した。その後無治療で経過観察しているが、再燃は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2014