発行日 2008年9月1日
Published Date 2008/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008332442
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
58歳男。数年前より寛解と増悪を繰り返す前胸部痛と手足の落屑、水疱形成を認めていた。健康診断で貧血を指摘され精査目的入院となった。手掌足背に落屑を伴う水疱形成と鎖骨、上部肋骨を中心に前胸部通と鎖骨の腫大を認め、炎症反応と尿潜血、尿蛋白、尿中β2ミクログロブリンの著明な上昇により高度の腎障害も認めた。胸部X線、CTにて両鎖骨から胸鎖関節にかけて腫大を認め、骨シンチグラフィで両鎖骨、胸骨、胸鎖関節に異常集積を認めた。皮疹部生検で掌蹠膿疱症と診断し、腎生検より炎症細胞の浸潤と線維化を認めた。以上より、半月体形成糸球体腎炎を合併したSAPHO症候群と診断した。ステロイドパルス療法を施行し、prednisoloneとcyclophosphamideによる後療法を行った。2週間後には尿蛋白は著明に改善し、前胸部痛や皮疹も消失した。その後にステロイドの減量を行っているが経過は良好であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008