発行日 2010年4月1日
Published Date 2010/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010187308
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63歳女。既往に10年来の掌蹠膿疱症があった。誘引なく後頸部痛が出現したが異常を指摘されず、自転車で転倒後に後頸部痛の増強、右上肢のしびれが出現した。単純X線でC5/C6椎間板高の狭小化、同部を挟んで上下椎体終板の圧潰を認め、更に右胸肋鎖関節に骨膜性骨増殖像を認めた。転倒前のX線像をレトロスペクティブにみたところ、C6椎体終板縁に骨透亮像を認めた。MRIではC5-C6椎体は圧潰し骨片による脊髄圧迫を認めたが、脊髄内の輝度変化はなく、一部椎体内にT1強調像で低信号、T2強調像で高信号を認めた。骨シンチグラムでC5-C6椎体、胸肋鎖関節、L4椎体左側に異常集積を認めた。掌蹠膿疱症性骨関節炎に関連した椎体病的骨折による右C6神経根障害と診断し、C5-C6椎体亜全摘およびC4-C7の前方固定術を施行した。術後症状は消失した。
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