発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2014195246
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61歳女。左腋窩リンパ節腫脹の精査中にHIV感染症が判明した。リンパ節生検結果はHIV関連リンパ節炎で、抗HIV治療を開始した。治療効果は良好でウイルス量は検出限界未満になった。2年後に下血を認めて入院した。下部消化管内視鏡を行い、S状結腸と横行結腸に潰瘍を認めた。生検所見は非特異的潰瘍であったが、ペア血清でHSV抗体の上昇を認め、バラシクロビル(VACV)を投与した。その後、口腔内アフタが出現した。再度VACVを再投与したが改善がなく、サイトメガロウイルス抗原陰性であった。特発性アフタ性潰瘍と考えてプレドニゾロン(PSL)を投与した。速やかにアフタは改善したが、PSLを漸減すると再発するという状態が1年ほど続いた。5年後、口腔内アフタの再発、霧視、下血で再入院した。霧視で眼科を受診し、ぶどう膜炎と診断され、HLA-B52を認めた。不完全型Bechcet病と診断され、PSLで症状は安定した。
©Nankodo Co., Ltd., 2014