発行日 2009年9月1日
Published Date 2009/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009346688
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81歳女性。患者は肺癌術後6年目より咳嗽が出現し、胸部CTにて左S3に腫瘤影が認められ、精査入院となった。喀痰検査ではメチシリン耐性黄色ブドウ球菌、緑膿菌、Aeromonas hydrophilica、Klebsiella pneumoniaeが検出され、抗酸菌の塗抹は陰性であった。こられの混合感染を考え、薬剤感受性試験からvancomycin hydrochloride、meropenemの点滴を開始したところ、HRCTでは左S3の腫瘤影は入院16日目で急速に増大し、更にに左S1+2に結節影が出現した。その後、気管支洗浄液および喀痰培養で抗酸菌陽性が判明し、DDH法にてMycobacterium aviumが同定された。以上、これらの経過より、本症例は肺Mycobacterium avium-intracellulare complex症と診断され、多剤併用化学療法を開始したところ、病巣は著明に改善した。
©Nankodo Co., Ltd., 2009