発行日 2012年10月1日
Published Date 2012/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013081442
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78歳女。全身倦怠、黒色便で受診し、血液検査で著明な貧血を認め紹介入院した。腹部は平坦・軟で圧痛なく、著明な小球性低色素性貧血、腎機能障害、BNPの高値を認めた。腹部CTおよび上部消化管内視鏡で出血源は認めず、大腸内視鏡で全結腸に凝血塊を認めるが出血源は不明で、小腸カプセル内視鏡および経肛門小腸シングルバルーン内視鏡にても出血源は認められなかった。入院26日目に黒色便、貧血を認めて濃厚赤血球を輸血し、46日目の出血シンチグラフィーで30分後より回盲部に淡いhot spotを認め、その後上行~横行結腸に指摘され、出血源は回盲部と推測した。バウヒン弁より約5cm口側の終末回腸に斑状発赤を伴う径2mmのangioectasiaを認め、同部位の静脈性出血を認めた。矢野・山本分類Type 1bと診断し、止血クリップにて止血し、入院74日目に軽快退院した。
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