症候から学ぶ感染症診療と抗菌薬治療
海外帰国者の発熱
氏家 無限
1
1国立国際医療研究センター国際感染症センター
キーワード:
鑑別診断
,
感染症予防
,
発熱
,
マラリア
,
旅行
,
接触歴
,
輸入感染症
Keyword:
Communicable Diseases, Imported
,
Communicable Disease Control
,
Diagnosis, Differential
,
Fever
,
Malaria
,
Travel
,
Contact Tracing
pp.611-614
発行日 2012年10月1日
Published Date 2012/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012337970
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●近年では国際化や交通機関の発達に伴って、海外渡航は身近なものとなり、国内では診療する機会が少なかった疾患に遭遇することが増えている。●帰国者の発熱を診療するうえでもっとも重要なことは渡航歴の聴取である。渡航に関する期間、地域、目的、曝露歴、予防対策などの情報から、感染リスクの高い疾患を類推できる。●熱帯熱マラリアは罹患率と重症度から、帰国後診療でもっとも注意を要する疾患であり、診断や治療が困難な場合には速やかに専門機関に相談する必要がある。またマラリア以外の輸入感染症のほか、一般的な疾患も忘れてはならない。●海外帰国者の発熱診療では、国内外の疾病に対する診療のほか、次の渡航の予防対策を含め、総合的な対応が重要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2012