症候から学ぶ感染症診療と抗菌薬治療
多剤耐性グラム陰性桿菌感染症への対処法
荒岡 秀樹
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1国家公務員共済組合連合会虎の門病院 臨床感染症部臨床感染症科
キーワード:
Acinetobacter Infection
,
Pseudomonas aeruginosa
,
Pseudomonas Infection
,
抗細菌剤
,
多剤併用療法
,
細菌多剤耐性
,
チェッカーボード法
Keyword:
Acinetobacter Infections
,
Anti-Bacterial Agents
,
Drug Therapy, Combination
,
Pseudomonas aeruginosa
,
Pseudomonas Infections
,
Drug Resistance, Multiple, Bacterial
pp.615-619
発行日 2012年10月1日
Published Date 2012/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012337971
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●グラム陰性桿菌の多剤耐性化は深刻な問題である。●多剤耐性菌は保菌に終わる場合も多いが、免疫不全患者において感染症の原因菌となった場合は致死的になる。●グラム陰性桿菌の耐性メカニズムは複雑であり、多剤耐性菌感染症に対して特定の推奨される治療レジメンは存在しない。●MDRP感染症に対しては、aztreonamとamikacinなどの併用療法が試みられているが、エビデンスは不十分である。●colistinやtigecycline(tigecyclineは緑膿菌には活性なし)を、日本においても早期に保険認可することが期待されるが、これらへの耐性株もすでに出現している。●感染症の原因菌であることが疑われた際には、専門家へのコンサルトが勧められる。
©Nankodo Co., Ltd., 2012