発行日 2012年8月1日
Published Date 2012/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012318859
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症例は74歳男性で、6ヵ月前に汎血球減少を認め、骨髄異形成症候群の診断で経過観察となっていた。38℃台の発熱が出現し、胸部X線で右上肺野に浸潤影を認め、肺炎疑いで入院した。CTでは右上葉にスリガラス様の陰影と一部浸潤影を、左上肺野にもスリガラス様陰影が認められた。非定型肺炎を考えてsulbactam/ampicillin+minocycline、ciprofloxacinで治療したところ、陰影の改善は乏しかったが炎症反応は陰性化し退院となったが、12日後に呼吸状態悪化と右下肺野のスリガラス影を認め再入院した。経気管支肺生検でリンパ球浸潤を伴う間質性変化を認め、線維化マーカーはSP-A、SP-Dが上昇しており、間質性肺炎と診断された。呼吸不全合併のためステロイドパルス療法を3回施行し、prednisolone(PSL)30mg/dayの内服を継続した。その後PSLは漸減し、徐々に呼吸状態、胸部陰影は改善してPSL 20mg/day内服で退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2012