発行日 2012年8月1日
Published Date 2012/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012318860
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症例は88歳男性で、6年前に白血球高値を指摘され、慢性リンパ性白血病(CLL)の診断でcyclophosphamide、fludarabineで加療していた。発熱で受診し、白血球、CRP上昇、フェリチン高値より感染症を疑い、meropenem、cefepimeなどを投与したが解熱しなかった。PET-CTを施行したところ、左腋窩リンパ節、傍大動脈領域リンパ節にFDGの強い集積を認め、リンパ節生検を行った。病理組織像で散在する多数の小型リンパ球を背景にHodgkin細胞やReed-Sternberg細胞が混在しており、免疫染色ではCD15、CD30陽性であった。CLLからHodgkinリンパ腫への転化を生じたRichter症候群と診断し、ABVD療法を予定していたが、尿量低下およびクレアチニン上昇を認め、急性腎不全が疑われて中止となった。輸液、flosemide投与を行ったが腎不全は改善せず、熱発より約1ヵ月で死亡した。
©Nankodo Co., Ltd., 2012