発行日 2012年1月1日
Published Date 2012/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012157859
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34歳女。2年前に歩行時のふらつきが出現した。その後、徐々に進行し、7ヵ月前には伝い歩き状態、6ヵ月前には歩行不能となり、内服治療を受けるも悪化したため紹介入院となった。顔面にアトピー性皮膚炎様の皮疹を認め、筋力は上肢両側とも軽度低下、下肢は中~高度低下し、下肢のトーヌスは著明に亢進し、腱反射は上肢で軽度、下肢は中~高度に亢進し、腰部以下にジンジンする感覚障害、軽度排尿障害を認めた。症状出現以前に生肉や汚染地域の有機栽培野菜の生食摂取はなく、末梢血好酸球の増加、IgEの高値を認めたが、頭部・頸椎MRIで明らかな異常は認めなかった。アトピー性脊髄炎と診断し、ステロイドパルス療法、血漿交換療法を行った。施行後、平行棒にて歩行可能、立位保持可能となり、感覚障害も遠位のみとなり、リハビリ目的に転院した。1年前の仮性嚢胞切除術時の生検病理より好酸球性膵炎に合致する所見であった。術後1年以上経過した現在、増悪なく、杖にて歩行可能な状態である。
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