発行日 2011年11月1日
Published Date 2011/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012041787
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59歳女。左耳介発赤腫脹および右眼球結膜充血に対し、抗菌薬を投与されたが改善せず紹介となった。左耳介軟骨炎、強膜炎および右眼球結膜炎の診断でステロイド外用を開始した。その際、腎機能低下を指摘され精査目的に入院した。腎機能障害、炎症反応、貧血および抗核抗体(ANA)40倍の軽度陽性でMPO-ANCA値が高値であった。腎生検で糸球体22個、全節性硬化3個を認め係蹄壁のフィブリノイド壊死やボウマン嚢の破綻を認めた。Pauci-immune型壊死性半月体形成性糸球体腎炎と診断し、臨床学的重症度グレードIでステロイドパルス療法および後療法としてPSLを内服投与した。腎機能は改善傾向を認めたが、CRPの弱陽性が持続した。尿沈渣では細胞性円柱が残存し、再ステロイドパルス療法で改善し退院となった。一方、耳介の発赤腫脹、疼痛および右眼球結膜充血はステロイド治療で著明に改善した。
©Nankodo Co., Ltd., 2011