発行日 2011年5月1日
Published Date 2011/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011244793
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36歳女。20歳時の体重は80kgであったが、ダイエットして30kg台となり、33歳時より月経不順を認めていた。倒れているところを発見され救急搬送され、低血糖による意識障害の診断で入院となった。入院時検査では、白血球数正常範囲内、好中球比率の増加、FT3低値、低アルブミン血症、肝機能異常、CRP上昇を認めた。神経性食欲不振症を疑い、栄養状態改善のため末梢点滴を開始したが、翌日より38℃台の発熱が出現し、入院3日目に中心静脈カテーテルを留置した際のX線で左上肺野に径5cmの結節を認めた。胸部CTでは左S1+2に空洞病変、下葉に区域性に分布する気道散布性陰影を認め、喀痰培養ではメチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)が検出された。気管支ファイバーでは左肺気管支粘膜の発赤、B10からの膿の流出を認め、ここからも培養でMSSAが検出された。黄色ブドウ球菌感染による肺膿瘍と診断し、ceftriaxoneを投与したところ、解熱、CRP低下、空洞の薄壁化を認めた。
©Nankodo Co., Ltd., 2011