胆膵疾患診療の最前線 難治疾患のよりよいマネジメントのために
糖尿病と膵癌
山田 大輔
1
,
田中 雅夫
1国家公務員共済組合連合会千早病院 外科
キーワード:
感度と特異度
,
危険因子
,
腫瘍マーカー
,
超音波診断
,
膵臓腫瘍
,
糖尿病
Keyword:
Diabetes Mellitus
,
Pancreatic Neoplasms
,
Risk Factors
,
Sensitivity and Specificity
,
Ultrasonography
,
Biomarkers, Tumor
pp.496-499
発行日 2011年3月1日
Published Date 2011/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011130060
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・糖尿病は膵癌の高リスク群である。・糖尿病発症や増悪が膵癌の診断契機となることはよく知られているが、日常的に遭遇する現象であるため、安価で安全かつ有用な膵癌スクリーニング法が必要とされる。・スクリーニングには腫瘍マーカーと腹部超音波検査が用いられ、腹部超音波検査は膵体部に限っては小膵癌でさえも高率に検出でき、腫瘍マーカーも5~8割の感度をもつ。・膵頭部・尾部の癌や早期膵癌の発見には課題を残すが、初発・増悪期に限らない定期的な腫瘍マーカー計測と腹部超音波検査が患者の予後を改善する可能性は十分にある。・ただし、早期膵癌を高率に発見するスクリーニング法としては、PAM4を含めた新規腫瘍マーカーの開発に期待するほかない。
©Nankodo Co., Ltd., 2011