膵癌診療最前線 新たな抗癌薬により長期生存を目指す
早期膵癌を発見するための診断戦略 糖尿病は膵癌の危険因子か
服部 昌志
1
,
乾 和郎
,
芳野 純治
,
奥嶋 一武
,
三好 広尚
1藤田保健衛生大学医学部附属第二教育病院 内科
キーワード:
危険因子
,
コホート研究
,
膵臓腫瘍
,
糖尿病
,
早期診断
Keyword:
Diabetes Mellitus
,
Pancreatic Neoplasms
,
Risk Factors
,
Cohort Studies
,
Early Diagnosis
pp.666-669
発行日 2008年10月1日
Published Date 2008/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008338451
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
膵癌の死亡数は2005年では22,926人で、癌の部位別では第5位である。罹患数は2001年度では20,667人で、罹患数を死亡数が上回る、予後の著しくわるい癌である。糖尿病の該当者かその予備群は、2006年には約1,870万人と推定され、40歳から74歳に限ると、ほぼ4人に1人が糖尿病の疑いがあることになる。膵癌登録報告2007では、膵癌患者の約25%に糖尿病の既往歴を認め、膵癌の診断契機として糖尿病の増悪を4~5%に認めた。糖尿病患者を診察したときには膵癌の存在に注意を払い、腹部超音波検査などのスクリーニング検査を適宜行っていくことが、膵癌早期発見の一つの糸口である。
©Nankodo Co., Ltd., 2008