甲状腺疾患 日常診療のTips and Essence
治療 妊娠と甲状腺疾患
百渓 尚子
1
,
岩間 彩香
1東京都予防医学協会 内分泌科
キーワード:
Thiamazole
,
Thyrotropin
,
Thyroxine
,
甲状腺機能低下症
,
Graves病
,
Thyrotropin Receptors
,
妊娠合併症
,
Thyrotropin-Binding Inhibitory Immunoglobulin
,
抗甲状腺抗体
Keyword:
Graves Disease
,
Hypothyroidism
,
Methimazole
,
Pregnancy Complications
,
Receptors, Thyrotropin
,
Thyrotropin
,
Thyroxine
,
Thyrotropin-Binding Inhibitory Immunoglobulin
pp.70-75
発行日 2011年1月1日
Published Date 2011/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011078926
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・FT4、FT3の基準値は妊娠16週ごろから低くなる。TSHが正常値なら甲状腺機能は正常である。・妊娠初期はバセドウ病とhCGによる一過性の機能亢進症との鑑別が重要である。・thiamazoleは妊娠初期、ことに妊娠4~7週はできるだけ避ける。その他の時期はthiamazoleが好ましい。・授乳はthiamazoleで1日10mgまで、propylthiouracilで1日300mgまでなら十分安全である。・抗甲状腺薬服用中に児の機能を正常に保つには、妊娠後半のFT4を基準値の上限かやや上に維持する。・新生児亢進症の発症の予測に妊娠後半のTRAb値が役立つ。・手術や131I治療で寛解してTRAb高値の場合は、胎児亢進症の可能性がある。・妊娠初期の母体の機能低下が児の知能に影響するとの見解は正しいとはいえない。
©Nankodo Co., Ltd., 2011