甲状腺疾患 日常診療のTips and Essence
治療 循環器と甲状腺疾患
中澤 博江
1
,
國井 葉
,
松本 雅子
1東海大学
キーワード:
甲状腺機能亢進症
,
甲状腺機能低下症
,
徐脈
,
心臓血管疾患
,
心不全
,
心房細動
,
心膜液貯留
,
期外収縮-心室性
,
期外収縮-心房性
Keyword:
Cardiovascular Diseases
,
Atrial Fibrillation
,
Bradycardia
,
Heart Failure
,
Hyperthyroidism
,
Hypothyroidism
,
Pericardial Effusion
,
Ventricular Premature Complexes
,
Atrial Premature Complexes
pp.64-69
発行日 2011年1月1日
Published Date 2011/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011078925
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・機能亢進症では頻拍になり心収縮力は強くなるが、心筋の代謝効率はわるくなる。・機能亢進が高度で長期に及んだ例では心房細動(Af)を合併しやすい。Afは心拍数をさらに増加させ心不全を誘発させる。・Afは甲状腺ホルモンが正常化すれば洞調律に戻りやすいが、その後も持続するときは積極的に除細動する。・心不全は下肢のむくみと肝腫大などの右心不全が多いが、高齢者などでは両心不全となる。循環器治療に加えて急速に甲状腺ホルモンを低下させることが重要である。・機能低下症では洞徐脈、全身血管抵抗の上昇、心筋収縮力の減少、心電図ST-T異常、心嚢液の貯留などが生じる。これらの異常はチラーヂン投与により速やかに改善するが、高齢者や冠動脈疾患合併例では少量から漸増していく。
©Nankodo Co., Ltd., 2011