発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015206399
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阻害型TSH受容体抗体(TSBAb)陽性甲状腺機能亢進症の3例を経験した。症例1は39歳男で、動悸で受診し、発作性心房細動と診断した。アブレーション目的で他院を紹介した際に、TRAb/3rd 1.3IU/L、TSAb 129%を指摘された。TRAb陰性バセドウ病と診断し、チアマゾールを開始した。1年4ヵ月で内服を中止し、経過観察中である。症例2は25歳女で、検診で洞性頻脈を指摘された。TSBAb陽性かつ24hr RAIU 59.7%より、TRAb陰性バセドウ病と診断した。甲状腺中毒症状も軽度で、甲状腺機能も未治療で改善傾向をした、TSBAb 63.0%と判明した。症例3は74歳男で、胸部圧迫感、体重減少で受診した。CRP陽性であったことから亜急性甲状腺炎後の甲状腺機能低下症もしくは抗Tg抗体陽性より無痛性甲状腺炎を疑い、レボチロキシンNaを開始した。甲状腺機能は正常化し、経過観察中である。
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