甲状腺疾患 日常診療のTips and Essence
治療 ヨウ素と甲状腺疾患
紫芝 良昌
1
1ゆうてんじ内科
キーワード:
甲状腺炎-自己免疫性
,
甲状腺機能亢進症
,
甲状腺機能低下症
,
甲状腺腫瘍
,
性因子
,
ヨウ素
,
地域差
Keyword:
Hyperthyroidism
,
Hypothyroidism
,
Iodine
,
Sex Factors
,
Thyroid Neoplasms
,
Thyroiditis, Autoimmune
pp.76-85
発行日 2011年1月1日
Published Date 2011/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011078927
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・健康障害とヨウ素摂取量の関係はヨウ素摂取量は至適量から低すぎても高すぎても健康障害が増すU字型になる。・世界の各地域での甲状腺疾患の病型や頻度を決めるもっとも重要な因子はヨウ素の摂取量であり、軽度な不足・軽度な過剰地域での甲状腺疾患の病態と頻度が明らかにされた。・軽度の不足地域では多結節性甲状腺腫による甲状腺機能亢進症が、軽度または明らかな過剰地域では甲状腺機能低下症が、とくに高齢者で顕著である。・ヨウ素過剰地域では慢性甲状腺炎が増加するが一部は可逆性である。・ヨウ素過剰地域では濾胞腺癌と未分化癌が減り乳頭腺癌の発生が増すが、未分化癌の発生年齢が低くなる傾向がある。・ヨウ素過剰地域での甲状腺検査に必要なヨウ素制限の具体例を示した。
©Nankodo Co., Ltd., 2011