発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007149732
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1999~2005年の7年間に著者らが保存的治療を行った化膿性脊椎炎症例を対象に、臨床像やX線所見、MRI所見などを検討した。対象は17例(男性10例、女性7例、罹患時平均年齢75.4歳)で、経過観察期間は平均10.1ヵ月であった。1)基礎疾患は16例(高血圧10例、糖尿病3例、リウマチ性疾患でのステロイド内服中3例、慢性腎不全1例)で認められ、これらのうち糖尿病、ステロイド内服、慢性腎不全のある症例を易感染性宿主とした。2)GriffithsらのX線学的分類では、I期は10例、II期は5例、III期は2例であった。また、MRIによる病期分類ではI期が1例、II期が1例、III期が10例、V期が5例であった。3)診断後の入院平均期間は117.9日、抗生物質投与開始からCRP陰性までの平均期間は67.9日で、いずれも易感染性宿主の有無による差はほとんどなかった。4)合併症の発症は8例(47%)で認められたが、その発症にはギプスベッドでの安静や易感染性宿主の有無との関連はなかった。膿瘍を形成した5例中3例は非易感染性宿主で全例治癒し、易感染性宿主2例ではうち1例は死亡した。5)化膿性脊椎炎が原因の麻痺は2例(11.8%)で確認されたが、いずれも治療経過中に軽度の改善を認めた。
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