発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013255239
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症例は63歳女性で、腹痛を発症し嘔気も出現したため発症から5日目に近医を受診し、腸閉塞症の診断で当院救急外来紹介受診となった。血液検査でWBCの低下、リンパ球数、単核球数、好酸球数の低下を認め、CRPは高値を示した。腹部単純X線で明らかな小腸拡張はなかったものの、腹部CTで右下腹部に造影効果が高くS状結腸と接する結節性病変を認め、下部消化管穿孔による腹膜炎と診断し開腹手術を施行した。開腹したところ右卵管、右卵巣が一塊となった膿瘍形成を認め、右附属器切除となった。摘出した右卵管、右卵巣は著明な発赤、腫大、フィブリン塊の付着を認め、病理組織学的に右卵管への好中球の著明な浸潤を認め、卵管卵巣膿瘍に矛盾しない像であった。腹水培養ではKlebsiella pneumoniaが検出された。術後clindamycin、cefmetazole sodiumを使用し、経過良好で術後17日目に退院となった。術後1年半で膿瘍の再燃、血液像の異常はない。
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