発行日 2010年10月1日
Published Date 2010/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011003850
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94歳女。近医にて発熱、腹痛、下痢に対し内服薬を処方されたが、嘔吐、白血球数の高値で当院紹介となった。腹部の圧痛、腸管蠕動運動亢進、水様便を認めた。末梢血で単球増多を伴う白血球増加、CRPの高値を認め、骨髄所見で分化傾向を示す単球系細胞の増加を認めたが白血病裂孔の所見はなかった。エステラーゼ(Es)染色陽性でNaFで阻害され、染色体異常は認めなかった。慢性骨髄単球性白血病を疑ったが高齢でPSも悪いため化学療法は行わなかった。便培養でSalmonella sp.が検出され腹部症状はサルモネラ腸炎と診断し、絶食および維持液、cefotaximeの投与で改善して退院となった。初診後約3ヵ月の骨髄所見ではほぼ正常となり、臨床経過および白血球数に占める単球の割合が80%以上になったことより単球性類白血病反応と診断した。
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