虚血性心疾患の最近の話題 虚血を見逃さない臨床から分子生物学まで
冠動脈インターベンションの課題と展望 造影剤腎症予防 腎機能悪化をくいとめるための方法
阿部 充
1
1国立病院機構京都医療センター 循環器科
キーワード:
Creatinine
,
冠動脈疾患
,
危険因子
,
糸球体濾過率
,
腎臓疾患
,
浸透圧
,
生存率
,
造影剤
,
発生率
,
輸液療法
,
予後
,
重症度指標
,
経皮的冠状動脈インターベンション
Keyword:
Contrast Media
,
Coronary Disease
,
Creatinine
,
Glomerular Filtration Rate
,
Kidney Diseases
,
Osmotic Pressure
,
Risk Factors
,
Prognosis
,
Severity of Illness Index
,
Incidence
,
Survival Rate
,
Percutaneous Coronary Intervention
pp.454-457
発行日 2010年9月1日
Published Date 2010/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010305913
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冠動脈インターベンション(PCI)後の腎機能障害の原因の中で造影剤起因性腎症(CIN)は頻度が他と比較して多く、臨床上重要である。自験例ではあるが、血清クレアチニン値の0.5mg/dl以上の上昇で定義されるCINは46人(4.0%)、25%以上の上昇で定義されるCINは160人(13.8%)に観察された。CIN発症に関しては、とくに糸球体濾過率30ml/min/1.73m2未満で要注意である。CIN発症の予防法として、PCI前後の生食補液、低ないし等浸透圧性造影剤の使用、なるべく少ない量の造影剤使用、造影剤使用間隔をあける、および腎機能悪化薬剤の中止等がある。わが国では極力少ない造影剤使用でPCIを施行しようとするMINICONの試みがある。
©Nankodo Co., Ltd., 2010