糖尿病診療の新時代 2010年代の展望
わかってきた合併症の病態とこれからの治療 網膜症治療のこれまでとこれから
石田 晋
1
1北海道大学 大学院医学研究科眼科学分野
キーワード:
Angiotensin-Converting Enzyme Inhibitors
,
レニン-アンジオテンシン系
,
病的血管新生
,
糖尿病性網膜症
,
臨床試験
,
多施設共同研究
,
治療成績
,
Angiotensin II Type 1 Receptor Blockers
,
Vascular Endothelial Growth Factor A
Keyword:
Angiotensin-Converting Enzyme Inhibitors
,
Clinical Trials as Topic
,
Diabetic Retinopathy
,
Neovascularization, Pathologic
,
Renin-Angiotensin System
,
Treatment Outcome
,
Multicenter Studies as Topic
,
Vascular Endothelial Growth Factor A
,
Angiotensin II Type 1 Receptor Blockers
pp.70-74
発行日 2010年1月1日
Published Date 2010/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010082278
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糖尿病網膜症の眼科的治療として、レーザー網膜光凝固術や硝子体手術が以前より適用されてきた。これらの治療法は有効であるが、網膜症の進行を持って行うため、視機能予後は限定的である。最近、網膜症の分子細胞メカニズムとして血管内皮増殖因子(VEGF)や炎症細胞の関与が明らかにされ、抗VEGF療法や抗炎症ステロイド薬が網膜症診療において、未認可ながらも汎用されるようになった。さらに早期から積極的に行える安全かつ有効な治療戦略として、レニン-アンジオテンシン系(RAS)への介入が有望視されている。網膜症において、RAS活性化によりVEGFなどさまざまな炎症関連分子が誘導されることが、明らかにされている。
©Nankodo Co., Ltd., 2010