到来 二人に一人脳卒中時代 脳卒中各論・治療
無症候性ラクナ梗塞への対応
高橋 愼一
1
1慶応義塾大学 神経内科
キーワード:
Angiotensin-Converting Enzyme Inhibitors
,
基底核
,
抗凝固剤
,
MRI
,
視床
,
臨床試験
,
血小板凝集阻害剤
,
診療ガイドライン
,
多施設共同研究
,
Angiotensin II Type 1 Receptor Blockers
,
ラクナ梗塞
,
無症候性疾患
Keyword:
Basal Ganglia
,
Anticoagulants
,
Angiotensin-Converting Enzyme Inhibitors
,
Clinical Trials as Topic
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Platelet Aggregation Inhibitors
,
Thalamus
,
Multicenter Studies as Topic
,
Practice Guidelines as Topic
,
Angiotensin II Type 1 Receptor Blockers
,
Stroke, Lacunar
,
Asymptomatic Diseases
pp.863-867
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013173259
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大脳基底核,視床,橋などにMRIのT2強調画像で高信号を呈する直径1.5cm未満の病巣があればラクナ梗塞を疑う.DWIでも高信号であれば急性期病変なので,たとえ無症状でも入院管理が望ましい.Gd造影陽性であれば,脱髄,血管炎,腫瘍などの鑑別が必要である.無症候ラクナ患者にはまず適切な血圧管理が重要であり,さらに糖尿病,脂質異常症などの危険因子があれば抗血小板薬の使用も考える.梗塞巣が1.5cm以上の場合,分布が大脳皮質や,分水嶺領域,極端な左右差のある場合には頸動脈を含めた主幹動脈病変の評価を行い,抗血小板薬の適応を考える.心電図によるチェックで,NVAFが見つかれば経口抗凝固薬の適応となる.T2*強調画像で描出されるmicrobleedsがあれば,脳出血の発症予防のために血圧管理をより厳格に行い,抗血栓治療(抗凝固薬,抗血小板薬)はリスク・ベネフィット判定後に開始する.
©Nankodo Co., Ltd., 2013