肝癌撲滅最前線
進行肝癌に対する新たな展開 分子標的薬sorafenib
沖田 極
1
,
加藤 彰
1社会保険下関厚生病院 肝臓病センター
キーワード:
Stevens-Johnson症候群
,
肝細胞癌
,
下痢
,
高血圧
,
消化管出血
,
心筋梗塞
,
治療成績
,
ランダム化比較試験
,
肺炎-間質性
,
Sorafenib
,
分子標的治療
,
手足症候群
Keyword:
Diarrhea
,
Gastrointestinal Hemorrhage
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
Hypertension
,
Myocardial Infarction
,
Stevens-Johnson Syndrome
,
Randomized Controlled Trials as Topic
,
Treatment Outcome
,
Lung Diseases, Interstitial
,
Molecular Targeted Therapy
,
Hand-Foot Syndrome
,
Sorafenib
pp.687-695
発行日 2009年10月1日
Published Date 2009/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009341892
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肝細胞癌(肝癌)の治療については、TAE、TACEといった肝癌の栄養血管を遮断し腫瘍壊死を惹起させる治療や、PEIやPMCによる局所治療法、さらには、外科領域における亜区域切除といったわが国独自の治療法が世界に向け発信された。一方、われわれが肝癌の局所治療を追い求めているあいだに、欧米では肝癌に特異な細胞内シグナル、とくに生存シグナルを分子レベルで阻害し、腫瘍の発育を阻止して腫瘍壊死を狙った分子標的薬の研究が進んだ。sorafenibはその最初の薬剤であり、さらに多くの薬剤が開発治験の途上にある。本稿ではsorafenibに焦点をあて、薬効薬理や臨床成績、また、副作用などについて紹介する。2009年5月、sorafenibは切除不能肝細胞癌の内服治療薬として承認を受けたが、これによりわが国の肝癌治療アルゴリズムがどう変わるか言及した。
©Nankodo Co., Ltd., 2009