肝癌撲滅最前線
トピックス 新たな分子標的薬治療
金井 文彦
1
,
横須賀 收
,
小俣 政男
1千葉大学医学部附属病院 消化器内科
キーワード:
肝細胞癌
,
二重盲検法
,
ランダム化比較試験
,
Sorafenib
,
Brivanib Alaninate
,
Sunitinib
,
分子標的治療
,
Orantinib
Keyword:
Double-Blind Method
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
Randomized Controlled Trials as Topic
,
Molecular Targeted Therapy
,
Orantinib
,
Sorafenib
,
Sunitinib
,
Brivanib
pp.702-705
発行日 2009年10月1日
Published Date 2009/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009341894
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
肝細胞癌に対して、血管新生阻害薬をはじめとする分子標的薬の開発が、世界中で進行中である。sorafenibは、腫瘍細胞の増殖シグナル遮断と血管新生阻害作用により、悪性腫瘍の増殖を抑制する。sorafenibは肝細胞癌の生命予後を改善することがはじめて示された全身化学療法薬であり、わが国でも2009年5月、肝細胞癌に対する保険適用を取得した。分子標的薬の副作用プロファイルは、従来の細胞障害性の抗悪性腫瘍薬とまったく異なることから、使用にあたっては、とくに注意が必要である。分子標的薬の効果はいまだ限定的であり、他薬剤・肝動脈塞栓術との併用、術後補助化学療法としての有用性検討とともに、肝細胞癌の真の標的分子の同定や、治療効果を予測するバイオマーカーの探索などが重要課題である。
©Nankodo Co., Ltd., 2009